水上バイクで迷惑野郎
バンコク都フワイクワン区のニューペッブリー通りで、連日の豪雨で水深40~50cmまで冠水し多数の車両が立ち往生する道路を、水上バイク(ジェットスキー)で旋回しながら走り回り動画撮影をしていた男らの映像がSNS上で拡散し批判が殺到した。
水上バイクの生む波で民家の塀が損傷したほか、家具をなぎ倒す浸水被害や、周囲の歩行者や救助者との衝突による重大な人身事故の危険もあったことから、警察は映像から運転者と撮影者を迅速に特定・立件した。運転していたのは元人気女優の息子でエンタメ関連企業を経営するタイ人の男(28歳)だった。
若者の悪ふざけや質の悪い観光客ではなく、事業者という立場の人物による行為に対し、取り調べで男は「洪水で苦しむ人々に笑顔を届けたかった」と話し、「海外教育を受けたためタイの文化をよく理解していなかった」と弁解した。
公共の場で他人に迷惑を与えた容疑で9月28日、裁判所は男に男に懲役15日、罰金5,000Bを言い渡し、水上バイクの没収も命じた。
この騒動の背景には、9月24日以降の豪雨によるバンコク広域の冠水被害がある。タイ商工会議所大学の試算では、25~29日の5日間に全国27都県で生じる経済的損失は約122億Bに達し、うちバンコクだけで物的損害を除外しても約70億Bと見積もられた。
29日時点でもラートクラバン区などバンコク東部で排水に時間を要し住民が生活の復旧に追われる最中、他人の被害や困窮を撮影コンテンツに変えた迷惑行為は、本人の釈明とは裏腹に強い社会的批判を招く結果となった。




