個室の檻や鉄格子で入居者を拘束
カンチャナブリーの介護施設に閉鎖命令

©警察ラジオ(FM91)

檻に閉じ込め!介護施設閉鎖

タイ西部カンチャナブリー県の介護施設「ソートーンチャイ・ナーシングホーム」で、入居者を鉄格子の部屋や檻状のベッドに閉じ込めるなど、刑務所を思わせる過酷な収容実態が発覚し、当局から施設閉鎖を命じられた。

発端は、息子夫婦により同意なく施設へ隔離された63歳女性が、娘に救出された後にテレビ番組で不当な拘束や暴力、睡眠薬の投与を告発したことだった。これを受け警察や保健当局が直ちに強制捜査に踏み切った。

10月5日の立ち入り検査では、認可定員50床に対し129床が設置され92人が入居する大幅な定員超過が判明。敷地には有刺鉄線が張り巡らされ、外から施錠できる個室や鉄枠付きベッドが設置されていた。

元タイ空軍看護師の経営者は転落や徘徊防止のためと主張し虐待を否定したが、排水・衛生管理の不備や診断書のない精神患者の受け入れなど複数の違反が確認された。

2006年開設の同施設は2021年から薬物依存回復者等へ対象を拡大していたが、警察は拘束や暴行容疑について事件の捜査を続けている。

保健省当局は10月7日に施設の閉鎖を命令した。入居していた92人は全員が保護・移送され、家族や精神科病院、社会開発・人間安全保障省などの公的支援につながれた。

高齢化が進むタイでは家族だけで介護を担えない世帯が増えているが、当局は「預け先不足を理由に安全性や尊厳を犠牲にはできない」と強調。一施設の摘発にとどまらず、拡大する介護需要に対し誰がどのような基準で人々の暮らしを支えるべきかという社会全体の重い課題を突きつけている。

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