7月27日、タイ中央捜査部(CIB)は、中国・アメリカ・タイの3カ国に跨るクレジットカード情報スキミング犯罪ネットワークを摘発したと発表した。
本件は在タイ中国大使館からタイ警察へ捜査協力の要請があったことで発覚したもので、タイへ観光に訪れた中国人1,200人以上のクレジットカード情報が不正にスキミングされ、カードの不正利用や現金引き出しに使われていたことが判明した。被害総額は約600万元(約2,900万B)にのぼったという。
被害を受けた中国人観光客らの証言を捜査したところ、全員がタイ北部チェンマイ県およびバンコク都内を訪れた際、銀聯(UnionPay)カードで決済を行っていたという共通点が浮き彫りになった。警察が調査を進めた結果、チェンマイ県にあるドライフルーツ店2店舗と、バンコクの中華街ヤワラート通りにあるドライフルーツ店1店舗の計3店舗が不審な拠点として特定された。
捜査当局は7月22日、事件に関与したドライフルーツ店3店舗および関係者の住宅に対して一斉捜索を敢行し、磁気情報読み取り装置(スキマー)が巧妙に組み込まれたパソコン用キーボード11台をはじめ、クレジットカード決済端末(EDC)3台、パソコン5台、IP監視カメラ18台およびサーバー、ならびにその他の証拠品計21点が押収された。
店舗の従業員に対する取り調べにより、経営者から「客が銀聯カードで支払う際は必ず2回カードを通すように」と指示されていたことが明らかになった。1回目はレジに隠されたスキマー付きキーボードにカードを通し、2回目に通常の決済端末で決済を行う仕組みであった。
客から2回カードを通す理由を不審に思われた場合は、「割引特典を適用するための処理だ」と説明して納得させていた。さらにレジカウンターには異例の数の監視カメラが設置されており、暗証番号(PIN)を入力する手元を上部から直接録画していた。警察の検証により、キーボードにカードを通した瞬間、カード情報が即座に複製され店内のパソコン上のLINEアプリへ送信される仕掛けになっていたことが確認された。
逮捕された中国人の男(42歳)は、タイ人3人と共謀してドライフルーツ店を隠れみのにしていたことを認めた。主犯格の男は中国からスキマーが組み込まれた特殊なキーボードを密輸入し、訪タイした中国人観光客の銀聯カード情報を盗み取っていた。
こうして入手したカード情報と監視カメラで盗撮した暗証番号は、LINEを通じてアメリカに滞在する中国人の仲間に転送されていた。アメリカの仲間は受け取った情報をもとに偽造カードを作成し、アメリカ国内で電子機器やブランド品を購入したり現金を引き出したりして、得られた利益を組織内で分配していたという。
警察当局は容疑者らに対し、他人の電子カード情報を複製・偽造するための機器や道具を共謀して所持した罪などの容疑を言い渡し、法律に基づく厳格な法的措置および刑事手続きを進めている。











