踏切内でバスが立ち往生した所に列車が激突
5月16日午後3時半頃、バンコクのラチャテウィー区で、激しい渋滞の渦中にあった路線バスに貨物列車が衝突する凄惨な事故が発生した。
現場はアソーク〜ディンデーン通りの踏切。赤信号の車列に阻まれ、線路上で身動きが取れなくなったバスに対し、列車は激しい警笛とともに緊急ブレーキをかけたが間に合わなかった。
激突されたバスは大破して激しく炎上。周囲の車両も巻き込み、救急隊による遺体収容が夜まで続き、8人が死亡、30人以上が負傷する大惨事となった。
捜査が進むにつれ、さらなる衝撃的な事実が浮き彫りとなる。
貨物列車の操縦士に過去の薬物関連歴があり、事故直前まで違法薬物を使用していた疑いが浮上したのだ。
現在も警察による調査が続いているが、今回の悲劇は個人の過失だけに留まらない。
タイの慢性的な都市インフラの「構造的欠陥」が引き金になったとして、社会的な議論が紛糾している。
この踏切は、渋滞時に車両が線路上に取り残されやすい危険な設計として以前から問題視されていた。
ネット上では「踏切へ侵入したバス運転手に問題がある」という声がある一方、「都心で踏切と幹線道路を平面交差させ続けている都市設計そのものが危険だ」とする意見も多く見られた。
また、国鉄の人員不足や設備の老朽化、監視体制や安全管理の甘さも槍玉に挙げられている。
操縦士の薬物疑惑という闇と、平面交差の危険を放置し続けた歪み。
二つの要素が最悪の形で交錯した事故は、近代化の裏で置き去りにされたインフラ刷新の緊急性を重い代償とともに突きつけている。




