チャイナタウン近くにあるアート街「タラートノイ」
そこに建てられたロボット像が予想外の反響を集めている

©サムパンタウォン区役所

タイは国民の9割以上が仏教徒。人々にとってタンブンや寺院への参拝は当たり前のことで信仰心の厚さがうかがえる。

そんなタイ人の迷信好きがある騒動を巻き起こしている。

場所はチャイナタウン・ヤワラートから少し離れたノスタルジックな街「タラートノイ」の交差点。今から数年前、人気ロボット映画「トランスフォーマー」に登場するオートボット「オプティマスプライム」の像が建てられたのだ。

そもそも何故この像が設置されたかというと、タラートノイは昔、機械パーツや家電を専門とする業者が集まる場所として知られていた。その業者の一人が「昔を忘れないためにも、機械を使ったランドマークを作りたい」と、同業者や外国人の知人に出資してもらい、事故車のパーツなどを使ってオプティマス像を作ったという。

「タラートノイに新ランドマーク誕生!」で終わるのかと思いきや、そんなはずもなく最近ある騒動が勃発。

近所のカフェが面白半分でオプティマス像に向かって「店の売り上げを上げたい」と願掛けをしたそう。するとあろうことか店はみるみるうちに繁盛し、大きな売上を上げることができたという。

そんな商売繁盛な話を聞きつけたタイ人らはオプティマス像のもとへと参拝しに来るようになり、最終的には周辺一帯を巻き込む交通渋滞を起こすほどになったのだ。管轄するサムパンタウォン区役所からも「(像に)参拝しに来ないで」という、謎の協力要請も発令されたという。

この像を作った男性はこの状況について「私は(迷信を)信じない」と話す。迷信を信じるなとは言わないが、ロボットに願掛けするのはいかがなものなのか、と問いたい。

 

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