音楽の力は窓さえも割る?

今年で3回目を迎えるソンクランの人気音楽イベント 「S2O Festival」を巡って、ある問題が巻き起こっている。

ソンクランには、人それぞれの楽しみ方がある。

多彩なイベントがある中で、音楽好きが注目するのが「S2O Songkran Music Festival 2017」だ。

このイベントは、タイ人セレブであり有名なテレビ番組司会者のウッディーさんが主催するもの。

普通の水掛けイベントとは違い、体を濡らしながら洋楽EDMを楽しめるミュージック・フェスティバルとして今年で3回目を迎えた。

開催場所は、バンコク中心地にあるデパート「Show DC」のオアシスアリーナ広場。

昨年は3日間で4万5千人を動員し、今年もイベント自体は大盛り上がりだったが、近隣住民にとっては喜ばしいものではなかったそうだ。

原因は、どうやら“音”にあったらしい。

特に今年は、例年以上に大音量が会場で響き渡ったのだそう。

その振動によって、周辺に建つマンションでは窓ガラスにヒビが入り問題になっているというから穏やかじゃない。

ある住民は、「大きな音によって、部屋ではずっと地震が起こっているかのように振動が続いた」と話す。

また一方では、「リハーサル段階で窓にヒビを発見。

イベント期間中は騒がしくて郊外に移動した」とAさんが言う。

帰宅した時には、窓ガラスのヒビが増えていたのだとか。

被害者となったAさんは「リハーサル時に騒音がひどすぎて、音量を控えるかイベント会場を変えてくれないか」と主催者に訴えたが、聞き入れてもらえず、仕方なく前述通り郊外へ逃げた。

事情を知ったタイの人たちが「なぜ事前に近隣住民の意見を聞かなかったのか」と問うと、主催者は「事前に許可をもらった」と反論し、騒動になっているのだ。

実際に近隣住民が受け取ったのは、イベントを開催するというお知らせの紙だけであり、開催の可否に関する問いは一切なかったそう。

この騒動を受けた主催会社の広報担当者は、イベントの被害者たちとすでに話し合いの場を設け、現在はヒビの原因を調査中だ。

加えて、「もしそのヒビの原因がイベントによるものであれば、もちろん自分たちで責任をとる」と話している。

より良いイベントを作るのが主催者。

その気持ちは分かるが、安全と環境をトータルで考慮したものをまずは目指して欲しい。

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