デジタル免許証は法律違反?

デジタル化が実現すれば、実物の免許証を 持ち歩かなくて済む……はずだったが

 タイ陸運局は15日、運転免許証のデジタル化を図るアプリ「DLT SMART LICENCE」の運用開始を発表した。

同局のピーラポン局長は、「デジタル化により、免許保持者にとって利便性が増すのはもとより、免許証の 不携帯が頻発している問題も解決できる。

皆さんへのニューイヤーギフトです」と意気揚々。

同免許証には、個人情報に加えて医療情報、緊急時の電話発信やメッセージを送れるSOSメニュー、有効期限の通知など、さまざまな機能が搭載されているという。

しかしながら運用開始と同日、タイ警視庁のジラサン副総監は、「同免許証は警視庁から正式な認可が下りていないため、実物の免許証を携帯しない場合は法律違反になる」と警告。

つまり現時点では、デジタル免許証を作ったとしても、実物の免許証を持ち歩く必要があるということだ。

同庁は混乱を避けるため、陸運局に対して事前に、法改正が終了するまで運用開始を延長するよう求めたが、拒否されたという。

法改正に向けた会議は、今月17日からスタート。

施行までには、早くとも半年ほどかかると言われている。

ネット上には「タイの政府機関は本当に調整能力が弱い」「なぜ無理に開始したのか」など非難のコメントが殺到。

加えて、「成りすましや情報漏洩のリスクが高い」といった、デジタル化に後ろ向きな意見も見られた。

当面は、実物の免許証を持ち歩いた方がいいようだ。

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