ビーチの赤旗は厳重な警告
タイ南部プーケット県タラーン市のナイトンビーチで8月22日、外国人女性観光客が海水浴禁止を示す「赤旗」を無視して海に入り、強い潮流に流されて溺れかける事故が発生した。
女性はライフガードに救助され浜辺で手当てを受けて無事だったが、事前に危険を説明し制止したライフガードに対し「私は泳ぐためにここに来た」と反論していたことが判明し、その身勝手な態度に非難が集まっている。
約1キロに及ぶ広大な海岸を限られた人員で全域監視するのは不可能なため、ライフガード側は警告を無視して入水する人が後を絶たない現実を踏まえ、事故発生時にすぐ救助できる範囲に絞って「遊泳を認める危険エリア」として監視区域を設けるという、苦しい対応を余儀なくされている。
女性を助けたライフガードによると、深刻さの差はあれど、同日は同ビーチだけで実に9人もの観光客が強い潮流に流される事態となっていた。
プーケットでは海水浴中の溺水事故が課題となっており、県災害防止軽減局の統計によれば2024年の溺死者18人のうち13人が外国人観光客であった。
特に5月〜10月は南西モンスーンの影響で南部西海岸(アンダマン海側)が著しく荒れ、2〜4m、雷雨時には4mを超える高波が発生する。加えて沖へと急速に引き込む「離岸流(リップ・カレント)」が突発的に生じるため、泳ぎが得意な人であっても自力で岸へ戻るのは困難だ。
せっかくの旅先で海に入りたい気持ちは理解できるが、赤旗は命を奪うほどの危険を示す厳重な警告だ。自然の猛威を軽視した無謀な行動は、自身の生命を危険にさらすだけでなく、命懸けで救助に向かう人々の安全まで脅かすことを自覚すべきである。




