テロ計画疑惑の男を逮捕
バンコク都バンケー区のコンドミニアムで9月4日、危険な毒物の購入履歴や爆発物の材料を所持していたとして、シンガポール国籍の男(40歳)が警察に逮捕された。当局への情報提供を受け警察が3カ月以上追跡し、シンガポール中央麻薬取締局(CNB)との情報照合により、自国で薬物犯罪などを重ねタイへ逃亡・潜伏していた男を特定した。
男から暴力を受けたタイ人女性が、刃物で脅されたことに加え、心中を持ちかけられたり水槽に毒物を投入して多数の人を殺害する計画を聞かされたと証言したことで部屋への強制捜査へ踏み切った。
室内からは覚せい剤3gや使用器具、現金20万Bのほか、爆発物の材料とされる硝酸、硝酸カリウム、アンモニア溶液、ホウ砂、点火装置2個が押収された。
具体的な物質名はあえて公表されていないが、さらに携帯電話からはダークウェブを通じて「モルヒネの1万倍の力価を持つ物質」20gや「安楽死等に使用される物質」10gなど極めて致死性の高い危険な毒物を注文した記録も見つかった。一方、男は「自分で命を絶つためだった」と主張している。
タイでも薬物トラブルを起こしていた男に対し、警察は現時点でテロ計画の証拠は確認しておらず、発見された化学物質だけでは殺傷力のある爆弾を作るには不十分との専門家の見解を得ている。それでも逃亡犯が大量の毒物手配や危険物質の保管を行っていた現実は極めて恐ろしい。
もし女性の証言通り集団毒殺が画策されていたならば、実行されれば取り返しのつかない大惨事となっていた。本人の弁明内容にかかわらず、危険人物を事前摘発し最悪の事態を未然に回避できたことの意義は非常に大きい。




