偽の父、実の父母、仲介役、病院職員も逮捕
タイ警察などの関係機関は、中国人の子どもに不正な手段でタイ国籍を取得させていた大規模な犯罪ネットワークを摘発し、7月12日までにすでに32人を逮捕した。
発端は今年4月に摘発された中国系特殊詐欺組織幹部の捜査で、幹部の子どもの国籍取得経緯を調べたところ、報酬を受け取ったタイ人男性を「代理の父親」として出生届に記載する組織的な国籍偽装が明らかになった。
手口は、中国人女性がタイ国内で出産する際、実父とは無関係のタイ人男性を父親として登録し、出生証明書等を利用して国籍を取得させるというもの。
逮捕者には偽の父親となったタイ人のほか、中国人の父母、仲介役、バンコク都内の病院職員などが含まれる。
当局は164人の子どもを対象に調査を進めており、DNA鑑定などの結果、すでに20人以上の国籍が取り消された。
国籍偽装の目的として、タイ国籍を持つ子どもを名義人にすることで、外国人に制限されている土地や不動産の保有、銀行口座の開設、企業への出資などを容易にし、犯罪組織の資産管理や資金洗浄に悪用する目的があったとみられている。
フィリピンで女性市長が身分偽装をして、中国系犯罪組織による人身売買や違法オンラインカジノに関与していた「アリス・グオ元市長事件」を引き合いに、タイ当局は外国人による国籍の偽装が国家の治安に影響を及ぼすリスクを注視している。
子どもを犯罪の道具とする悪質な手口に対し、当局は行政機関や資金の流れを含めた全容解明に向けて捜査を続けている。




