タイでは3万人の子どもが路上生活 政府が教育支援へプロジェクト立ち上げ
路上で生活する「ストリートチルドレン」。国連児童基金(UNICEF)によると、世界で約1億人も存在し、その多くは教育を受ける機会すらない。
「この問題は長期的に各国の経済や社会などに悪影響を及ぼす」と国連教育科学文化機関(UNESCO)は強い危機感を示す。
タイにとっても対岸の火事ではない。
教育省の調査では、教育を受けていない子どもが国内に10万人以上いると判明。
ストリートチルドレンは3万人に上り、地区別ではバンコクが最多。
主に花輪を売り歩いたり、物乞いをしたりしているという。
この結果に伴い、同省は9月25日、平等教育財団(EEF)やチュラロンコン大学などと連携し、貧困層に対する教育支援を行うプロジェクト「チルドレン イン ストリート」を設立。
子どもが置かれている現状を把握し、教育を受けられるようサポートする。
最終的には、子どもたちの経済的自立を促したい考えだ。
EEFのパッタナポン氏は「前回のプロジェクトでは、バンコク都内に住む81人のストリートチルドレンに教育のサポートを実施しました。
その時、支援の範囲をさらに広げたいと強く思ったんです」と今回のプロジェクト設立の経緯を説明。
「子どもたちの望む職業に就くことができれば、貧困や教育の不平等などの問題は和らぐでしょう」と期待する。
教育は国家や個人にとって、あらゆる可能性を広げる重要な要素。
同政策が成功し、路頭に迷う子どもが少しでも減ることを願う。
今後の動向に注目したい。