法曹界を舞台にした人気ドラマに検察が苦言 ところが「脚本に口を出すとは何事!」と逆に槍玉に
法曹界を舞台としたドラマといえば、日本では キレッキレの敏腕検察官役でキムタクが主演した「HERO」が有名だが、今、タイでも法廷ドラマが人気を博している。それはチャンネル3で放映されている「ハイ・ラック・ピパークサー Dare to Love(恋が裁く)」というドラマ。
数年前にオンエアされたラブコメディーで一躍人気となったベラ・ラーニーが美人弁護士役で主演。
彼女が仕事と恋の狭間で裁判に立ち向かうわけだが、このドラマに思わぬところから横槍が入った。
一部の法律関係者が「検察官のことを誤って伝えている」というのだ。
劇中の悪役検察官のセリフで「検察官は弁護士よりも上級の仕事で、裁判官にもなれるし政界でも活躍できる」というのがあったところ、タイでは検察官が裁判官になることはできないことから「間違えだ!」と批判。
さらに検察官委員会事務局長副代表が「ドラマ内の検事の雑な言動や行い、そして証拠隠滅行為は、検察官に対する世間のイメージを著しく損なうことになる」とチャンネル3に苦情を申し立てたのだ。
ところがネット住民は黙っていなかった。
事実としての誤りを指摘するのはいいとして、検察には脚本に口出しする権利はないと反論。
さらに法学者のソムチャイ准教授が援護にまわり、9年前に実業家の息子が起こした有名な自動車事故事件の進展の遅さを例に挙げ、「ドラマのせいではなく、最近の検察の行いに問題があるため、世間から信頼されないのだ」と槍玉に挙げた。
こうして検察に逆風が吹きドラマは安泰。
美しすぎる弁護士の活躍は続くのである。