都知事も嘆く、度を超えた不法投棄

都心部が洪水になる一因の運河汚染。
都知事も思わず嘆く、ゴミが投棄される運河の現状とは…

今シーズンの雨季はよく雨が降った。

バンコク都心部でも至る場所で道路が冠水して、困った思いをした人も多いのではないだろうか。

その雨脚の激しさから、タイではものすごい量の雨が降るという先入観を持ってしまうが、実はバンコクと東京の年間雨量にはあまり差がない。

2020年のデータだとバンコクは1583.8mm、東京は1590.0mm。

それなのにバンコクではすぐに道路が冠水してしまうのは、下水道の処理能力に歴然と差があるのは確かだが、市民のモラルに大きな問題があると話題だ。

バンコク都内には多くの運河が張り巡らされている。

かつては日常生活の水路だったが、現在では一部を除いてその多くが排水路としての重要な役割に。

しかし、そんな運河にゴミを捨てる行為が後を絶たないということがにわかに問題化。

ゴミが水の流れを妨げ、排水に支障が生じているのだ。

チャッチャート都知事によると、都内では毎日約9000tのゴミが収集されているが、不法に捨てられた大量のゴミが運河に流れ込んで排水経路を詰まらせているという。

先日行われた都による運河の清掃作業の際には、なんとクイーンサイズのマットレスが運河から引き揚げられた。

これにはさすがの都知事も嘆いたそうだが、早速手を打ち、役所では粗大ゴミの引き取りサービスを開始。

ポイ捨てに対する罰則も強化され、指定場所以外へのゴミ捨てには2,000Bの罰金。

そして、運河へのゴミ投棄には10,000Bの罰金が課せられる。

これで少しは市民のモラルが改善するのだろうか。

成果は、来年の雨季まで待つことになる。

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