熱帯国であるタイには、180種類以上のヘビが生息している。特にスワンナプーム国際空港がある地域は「コブラ沼(タイ語でノーン・グー・ハオ)」と呼ばれていたという。元々コブラの生息地だったこともあり、今でも数千匹のコブラが生息しているというから恐ろしい。
とはいえ、ほとんどのヘビは毒性が弱いため噛まれたとしても大きな心配はないようだが、そのうち10%ほどが人を殺せるほどの強い毒性を持っているため油断できないもの。
地方だけでなくバンコク都心部でもヘビの出現はめずらしいことではなく、ヘビによる被害も多い。そのため、タイ赤十字社でヘビ毒の研究とその血清を作成するために特設機関(現在のスネークファーム)が設立されたそう。
良くも悪くもヘビとの関わりが深いタイで、とある医療トラブルが話題を集めている。
東部ラヨーン県である男性がヘビに噛まれてしまい、病院を訪問。医師の診察を受けるも「入院するほど重症ではない」と診断され、血清を打たれるどころか家へ帰されてしまったという。
ところが数時間後、男性の容態が急変し、今度は昏睡状態となって同じ病院に搬送される事態に。
検査の結果、男性を噛んだヘビはタイやマレー半島などに生息する「マレーアマガサヘビ」と判明。
白と黒の模様が特徴的で、「タイにいるヘビの中で最も強い毒を持つ」という異名を持つ毒ヘビだ。また、毒による症状が現れるのが遅いことから、「重症ではない」と診断を誤ってしまったのかもしれない。
この件を受け、病院側への批判が相次いでいる。男性のその後はいまのところ分かっていないが、無事に回復することを祈っている。




