乗車拒否、メーター不使用、高額な乗車料金の要求などなど、タイではタクシー運転手によるトラブルが後を絶たない。外国人や観光客だけでなく、タイ人であっても理不尽な対応をされるのが常。
そんな状況もあってか、タイでは配車アプリ「Grab」を利用する人が増加。
しかし、それがきっかけとなって今度はGrabへの怒りが噴出し、政府をも巻き込む騒動に発展している。
5月20日、タクシー運転手約50人が愛車とともに首相官邸近くのラーチャダムヌーン通りに集結。配車アプリの合法化により以前から現地タクシーとのいざこざがあったが、昨年スワンナプーム空港にGrab専用の乗り場が設置されたことで一部のタクシー運転手の怒りを買ってしまい、今回の騒動に至ったのだとか。
運転手軍団の代表は集会で、空港のGrab乗り場の廃止および配車サービスを譲渡する法律の見直しを要求したうえで、「政府はタクシーかGrab、どちらかを選ばなければならない。
もし、外資のGrabを選んだ場合は売国にあたる」と大胆発言を残し、対応によっては空港封鎖も示唆している。
しかし、この一件に対する国民の意見は非常に冷静なものだった。日頃から現地タクシーに対する不満があったことから、「選ぶなら迷うことなくGrab一択」として意見が一致し、運転手軍団の野望は消え去ることに。
それだけでなく、堅実に働いている同業者からも「一部の運転手の行いによって、自分たちも悪く見られてしまう」と批判の声が上がっている。
意見を主張すること自体は悪いことではないが、まずは自分たちの日頃の行いを見直してもらいたいものだ。




